年表用語説明

表敬参拝

昭和36年12月25日、南米アルゼンチンのフロンディシ大統領御夫妻が来日され、大統領御自身の切なる希望により、明治神宮参拝が日程に組み込まれた。ところが神社での大統領の正式な参拝が母国に伝えられると、敬虔なキリスト教信者の多い母国アルゼンチンの国民感情に悪い影響が出るのではないか、とオルフィラ駐日大使が憂慮した。この問題をめぐって、外務省と明治神宮当局との間で慎重な打合せが重ねられ、その席上、当時祭儀部儀式課長であった谷口寛禰宜の提案により、「参拝」の語を避けて「表敬」なる新しい用語を用いることとなった。また、拝礼の作法も神社神道の正式な作法はとらないで、一般参拝者の拝礼位置(外拝殿向拝・賽銭箱の前)に花輪を捧げて拝礼する方法が案出された。