年表用語説明

熟饌

一般に調理した神饌のことを「熟饌」と称するが、これは、明治天皇が天神地祇を祭祀せられるにあたり、親しく奉献かつ御親らも聞食されたもので、大祭期間中の10月31日より11月4日に至る大中8回の祭典に奉供することが決定された。宮地直一(内務省神社局考証官)・八束清貫(宮内省掌典)・米次六雄(宮内省主膳監)の賛同を得、彼らの尽力により、元厨司長で熟饌の権威者であった緑川幸二郎の指導を仰ぐことができた。ただし、当初の大中8回の祭典すべてに奉供する案は、種々の事情により中止となり、毎日の夕御饌に奉供することになった。10月12日、旧御殿において第1回の熟饌講習が行われ、10月31日の前日の儀の夕御饌に奉供された。熟饌奉供は以後、昭和18年まで恒例となった。

  • 鎮座十年祭熟饌
  • 鎮座十年祭熟饌