年表用語説明

昭和天皇と明治神宮

御幼少の頃、昭和天皇の明治天皇に対するお気持ちは格別のものがあった。晩年に掌典長を拝命した甘露寺受長名誉宮司に拠れば、昭和天皇は、明治天皇を「おじじさま」と大変お慕いになっていたとの事である。明治天皇に倣われて御敬神の念篤く、宮中祭祀の厳修をはじめ、神事を先ず第一とされた由を拝する。また、昭和21年の年頭の詔書には、五箇條の御誓文を引用され、未曾有の国難の最中、国民に我が国の採るべき指針を示された。明治神宮には大正9年11月2日、御鎮座に際し大正天皇の御名代として御参拝になり、次の御歌をお詠みあそばされている。「とりがねに夜はほのぼのとあけそめて代々木の宮の森ぞみえゆく」。以来、御参拝は昭和59年の昭憲皇太后七十年祭迄、実に20回の多きを数え、誠に畏き極みであった。